ROの思い出。2。

LV差に伴いPTとほとんど行動を一緒にしなくなった俺はピラミッドというダンジョンで、ポーションをがぶ飲みしながら骸骨モンスターと戦っていた。上級職になったあとでも、このモンスターが10000分の1の確率で落とすレアアイテムが3つ無いとまともに戦えないという恐ろしい話を聞いたからだ。俺はただひたすら、カタカタ音を立てて忍び寄る骸骨モンスターを、発狂しそうになりながらバラし続けた。いつかPTに戻れることを信じて。

 

マジシャンとチャットしたところ、PTには日替わりでナイトが入っているらしい。ナイトは壁役はもちろん、オートカウンターという最強のタイマンスキルを持っており、前衛としては申し分なしの存在だった。もはやPTには俺の居場所など無かったが、今更後には引けない。人並みになることを目標に俺は骸骨を狩り続けた。

 

レアアイテムは一つも出なかったが、転職可能なLVになった。シーフからアサシンとなり、見た目がかっこよくなった。ナイフからカタールへと武装が変わり、攻撃モーションもスタイリッシュになった。

 

だが相変わらず弱かった。もうPTとの差は取り返しがつかないほどになっていた。だが、すっかりソロプレイが染み付いてた俺は、お情けでPTに誘ってもらい気を使いながら冒険するより、ひとりで気楽に狩りをする方が好きになっていた。仲間とレアアイテムを探しにいくよりも、狩りの戦果を売り払って青箱(レア含む全アイテムの中からランダムでなにか一つ出てくるバクチ要素)を買い漁る方が楽しくなっていた。

 

その後マジシャンとチャットしたところ、いまPTは男アコライトが女アーチャーに恋の告白をしたこと、そしてアーチャーがOKしたことで、マジシャンまでもアコライトから邪魔もの扱いされるようになり、気まずくなった彼もソロプレイに走っていると聞いた。

 

俺とマジシャンは、女アーチャーの中身がガチムチの植木職人であることを知っていたが、男アコライトはおそらく知らないだろうし、その方が幸せだと判断した。